テーマセッション(TS)
現在関心が高いと思われるテーマの研究発表を募集します.次のテーマを企画中です.
- 招待講演 伊藤真理 氏
- 医療DXの推進による医療現場の改革―数理最適化で描く資源管理の未来―
- 招待講演 阿久津 彗 氏
- 仮想的な価格をもちいた大規模な分散型電源群の制御理論と実装
TS01 サイバーフィジカル・フレキシブル・オートメーションの理論と実践
オーガナイザ
- 西 竜志 氏 (岡山大学)
- 田中俊二 氏 (岡山大学)
- 森永英二 氏 (大阪公立大学)
概要
近年のものづくり分野では,ドイツのIndustry 4.0に代表されるように,IoT(Internet of Things)やCPS(Cyber Physical System),Cloud Manufacturing,ビッグデータをフルに活用した新しいものづくり(スマートファクトリ)の台頭が急速に進んでいます.本テーマセッションでは,サイバーフィジカル・フレキシブル・オートメーションを実現する上での生産システム/FA技術に関するさまざまな研究・開発事例の講演発表を募集します.
キーワード
- ロボティクス・メカトロニクス技術
- 製品設計技術
- 生産システム技術
- グローバル生産技術
- 経営・経済分野との統合化技術
- FA関連の理論・方法論
- IoT/AI/CPSのものづくりへの適用
TS01 招待講演
医療DXの推進による医療現場の改革―数理最適化で描く資源管理の未来―
講師
伊藤真理 氏 (神戸大学)
概要
日本では,超高齢化社会の進行や医師の働き方改革の影響を受け,限られた医療資源を効率的に管理することが急務となっている.医療DXの推進により,人工知能やオペレーションズ・リサーチの活用が注目され,医療資源管理の課題解決に新たな可能性が広がっている.本講演では,病院や医療機器メーカーとの共同研究を基に,手術室スケジューリング,病床管理や医師の勤務スケジューリングなど,医療資源管理の効率化を目指した数理最適化の適用事例について紹介する.また,不確実性を伴うヘルスデータの課題やその対処法,既存システムとの連携,実用化に向けた課題とその解決策についても紹介し,数理最適化を活用した医療資源管理の今後の展望について述べる.
TS02 システム数理とレジリエンス社会
オーガナイザ
- 足立亮介 氏 (山口大学)
- 澤田賢治 氏 (電気通信大学)
概要
本セッションでは,システム数理の理論や手法を活用し,社会の持続可能性と回復力を高める多様な研究発表を募集します.制御理論,最適化,ネットワーク解析などの分野からの発表はもちろん,災害対策や都市計画など幅広いテーマにおける最新の成果を共有し,数学的アプローチによる課題解決を共に探求します.発表を通じて知見を深め,新たなコラボレーションの機会を創出する場として,皆様の積極的なご参加と発表を心よりお待ちしております.
キーワード
- 制御理論
- 最適化
- ネットワーク解析
- レジリエンス
- 数理モデリング
- 災害対策
- 都市計画
- インフラ管理
- 複雑系
- 持続可能性
TS03 表現学習とその評価
オーガナイザ
- 久保孝富 氏 (奈良先端科学技術大学院大学)
概要
表現学習は、データの特性や構造を捉える手法として、幅広い分野で注目されてきた。その応用範囲はますます拡大し、汎用性の先にある普遍性をも視野に入れて表現の探求がさらに進んでいる。本セッションでは、表現学習に関する最新技術、応用事例、そして得られた表現を評価するための新しい方法論に焦点を当てる。特に、下流タスク性能に依存しない評価指標や、普遍性・説明可能性を考慮したアプローチに関する議論を促進し、表現学習の可能性を広げるための課題と解決策を探る場としたい。本セッションでは、これらに関連する理論的研究、アルゴリズム開発、応用事例など、多様な視点からの発表を幅広く募集する。
キーワード
- 潜在構造(超球面埋め込みを含む)
- 次元削減(多様体学習・非線形ICAを含む)
- 自己教師あり学習(対照学習を含む)
- 生成モデル
- アライメント
- 位相的データ解析
- 普遍性
- 構成性
- 因果性
- 説明可能性
TS03 招待講演
同定可能な表現学習の理論と方法
講師
佐々木博昭 氏 (明治学院大学)
概要
表現学習における同定可能性は,解釈性や再現性,実用性に直結する重要な課題である.近年,同定可能な表現学習の枠組みとして,非線形独立成分分析(非線形ICA)が注目されており,その目的は複雑なデータの背後にある潜在成分・構造を同定することである.本講演では,非線形ICAを含む同定可能な表現学習の理論的背景とその実践手法を紹介する.
TS04 スワームロボティクス
オーガナイザ
- 保田俊行 氏 (富山大学)
- 早川智洋 氏 (静岡大学)
- 平賀元彰 氏 (京都工芸繊維大学)
概要
スワームロボティクスは,単一ロボットでは問題解決が困難なタスクに対して,構造が比較的簡単で安価に構成可能な自律ロボットを多数用い,それら間に幾度も繰り返される局所的相互作用を通して自律ロボットの群れ全体に発現される知的挙動を利用することにより,新たな解決策の提示を試みるパラダイムである.本テーマセッションでは,生物学,とくに動物行動学や社会生物学などから多くのことを学び,この超冗長系としての群れの制御手法について探っていく.創成段階にあるパラダイムゆえ,挑戦的なアイデアから実機への実装問題まで幅広く取り扱う.
キーワード
- 群知能
- 群制御
- マルチエージェントシステム
- 自律分散システム
- 創発システム
TS05 機械学習の応用
オーガナイザ
- 浮田浩行 氏 (徳島大学)
- 柴田義也 氏 (オムロン株式会社)
- 永吉雅人 氏 (新潟県立看護大学)
概要
現在,急速な発展を続けている機械学習の技術は,自然言語処理や画像認識処理等において,学習モデルの高精度化,高効率化を目指すだけでなく,その学習モデルを利用した様々な知能システムが提案されています.特に,生成AIの技術によって,言語,画像,音声等,異なるメディアの情報が相互に変換,あるいは混在することが可能になり,これまでにないシステムの創出が期待されています.このセッションでは,機械学習の基礎的・理論的な研究の他,機械学習を用いたロボットやドローンの制御,工場等における知的な外観検査,人間との高度なインタラクションシステム等,応用的な発表を中心に幅広く募集します.
キーワード
- 機械学習
- 生成AI
- 自然言語
- 画像認識
- 機械制御
- 知的センシング
- 高度ヒューマンインタラクション
TS06 データを活用する制御・推定・予測
オーガナイザ
- 有泉 亮 氏 (東京農工大学)
- 池崎太一 氏 (岡山大学)
概要
Society 5.0の実現に向け,サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合したサイバーフィジカルシステムの構築に関して,近年活発な議論がなされています.制御分野においても,適応制御やデータ駆動制御などデータを直接用いる制御器更新法などの研究やその応用の議論が行われるとともに,高度な推定や予測にもデータを直接用いる手法が提案されるなどデータの活用法が広がっています.また,近年では Data-Informativity のように使用するデータの質についての解析なども行われています.このような背景に鑑み本テーマセッションでは,データを利用して行われるモデリング,推定,予測,制御とともにデータ駆動に関連する理論的研究や応用事例などを幅広く募集します.
キーワード
- データ駆動
- 機械学習
- 制御系設計
- 自動調整
- 予測
- 推定
- モデリング
TS07 ソフトロボティクス
オーガナイザ
- 伊藤一之 氏 (法政大学)
- 谷口浩成 氏 (大阪工業大学)
概要
近年、シリコンゴムなどの柔軟な素材で構成されたソフトロボットが注目されています。ソフトロボットは、その身体の柔軟さを利用して環境と相互作用することで適応的な振る舞いを生成することが可能であり、従来の産業用ロボットが苦手とする未知で複雑な環境への応用が期待されています。また、その適応性を生成する仕組みは、生物の持つ適応性とも共通する部分を持っており、バイオインスパイアードロボットの実現方法の一つとしても注目されています。本テーマセッションでは、ソフトロボットに関する研究を幅広く募集します。
キーワード
- ソフトロボット
- ソフトアクチュエータ
- ソフトハンド
- 人工筋
- バイオインスパイアードロボット
TS08 生体センシング・医用システム
オーガナイザ
- 國領大介 氏 (神戸大学)
- 中本裕之 氏 (神戸大学)
概要
生体センシングは、人間を含む動物の生理的情報を計測するセンサと信号・画像処理など計測データの情報処理方法を含み、生体センサが組み込まれたデバイス・システムの開発が進むにつれて、日常の健康管理からスポーツ科学、医療分野など、その活躍の場は拡大しています。特に医療分野では、生体センサを組み込んだ医用システムが活用されており、治療や検査に直結する医用システムの高度化が望まれています。本テーマセッションでは、このような生体センシングと医用システムに関連する研究を、基礎から応用まで広く募集します。
キーワード
- 生体センシング
- 医用システム
- 生体センサ
- 生体信号
- 信号・画像処理
- 医用画像処理
TS09 社会システムの制御・計画・検証
オーガナイザ
- 小島千昭 氏 (富山県立大学)
- 榊原一紀 氏 (富山県立大学)
- 中村正樹 氏 (富山県立大学)
概要
「超スマート社会」への貢献を目的とした社会システムのモデリングについて,制御,最適化,検証の立場から広く議論する.具体的には,ヒトの意思決定も含むような電力・ガス等のエネルギー,交通,農業や公共サービスなどに関するシステムを対象とし,種々の分野からのシステム理論・技術とそれらの融合や実応用,実装に向けた取り組みに関する研究成果を広く集める.
キーワード
- 制御理論
- 数理計画
- 形式検証
- スマートグリッド
- サーマルグリッド
- 交通システム
- 公共サービス
- ハイブリッド・システム
- マルチエージェント・シミュレーション
TS09 招待講演
仮想的な価格をもちいた大規模な分散型電源群の制御理論と実装
講師
阿久津 彗 氏 (富山県立大学)
概要
脱炭素社会実現のため,太陽光発電設備や蓄電池など多種多数の電力機器を,分散型電源として電力システムへ導入することが推進されている.一方でこのような機器は,天候状態や所有者の都合に依存し出力が変動するため,実運用時において出力調整が必要となる.本講演では,実際の状態に対応した価格を利用して,システム全体を最適な状態への誘導することが可能な,分散型制御方策について解説する.また,実際の電力機器への実装とその実験結果についても紹介する.
TS10 教育と工学
オーガナイザ
- 浅井 徹 氏 (中部大学)
- 大山牧子 氏 (神戸大学)
概要
近年、学習者のパフォーマンスを向上させるための、教育・学習システムや教材、実践の開発が進んでいます。さらにそれを目指して教育学習プロセスの詳細を分析する研究の蓄積が期待されています。多様な教育段階や分野での研究が進められていますが、特にSTEM教育に関わる研究は大きな注目を集めています。本セッションでは、教育学習やSTEM教育などの開発や実践に関わる幅広い研究を募集します。
キーワード
- STEM教育
- 教育工学
- 教育システム開発
- 学習分析
- 教材開発
- 教育実践研究
TS11 実環境でのロボティクス
オーガナイザ
- 梅本和希 氏 (福井大学)
- 佐藤徳孝 氏 (名古屋工業大学)
概要
ドローン,農業ロボットなど,実環境で活躍するロボットの研究開発が進んでいます.屋外などの実環境での動作のためには,機構,センシング,モデリング,制御,知能化などの各要素の追究と,それらの統合が求められます.本テーマセッションでは,実環境ロボットに関連する要素から統合までの幅広い講演を募集します.
キーワード
- フィールドロボティクス
- ドローン
- 農業ロボット
- インフラ点検ロボット
- 災害対応ロボット
- 無人化施工
TS12 知能システムと最適化
オーガナイザ
- 生方誠希 氏 (大阪公立大学)
- 巽 啓司 氏 (大阪大学)
概要
知能システムと最適化の分野では,複雑な問題を解決する様々な手法が提案されており,生産・流通システム,通信・制御工学,金融工学,環境学,経済学,分子生物学,情報学など幅広い領域で利用されています.さらに,この数年の情報通信,計測技術の発達,計算機性能の向上により,その手法の適用範囲は広がりをみせ,その過程で新たに取り組むべき課題も生じています.今後も,エネルギー管理,ビッグデータの活用,環境問題,高齢化問題,感染症対策など,近年注目されている諸問題の解決手法として,そのニーズはさらに増していくものと考えられます.本テーマセッションでは,知能システムと最適化に関する理論,手法,応用およびそれらに関連するさまざまな研究発表を募集します.
キーワード
- 数理計画の理論と応用(連続・離散・組合せ最適化,多目的最適化,ロバスト最適化,確率計画法,メタヒューリスティックなど)
- 意思決定の理論と応用(効用理論,多属性/多基準思決定,AHP,ANP,DEA,ファジィ理論など)
- ゲーム理論とその応用(非協力ゲーム,協力ゲーム,進化ゲーム,メカニズムデザインなど)
- 実社会での応用(スマートグリッド,金融工学,スケジューリング,サプライチェーン,マネジメント,機械学習,人工知能など)
TS13 機械学習と制御
オーガナイザ
- 加嶋 健司 氏 (京都大学)
- 福永 修一 氏 (広島工業大学)
- 丸田 一郎 氏 (京都大学)
概要
近年発展が著しい機械学習分野の技法の制御分野への導入や,制御分野の理論の機械学習分野への応用についての知見を共有したいと思います.関連する理論・応用に関する講演を広く募集します.
キーワード
- 機械学習
- 強化学習
- AI
- ニューラルネット
- 生成系AI
- ガウス過程回帰
- 自己符号化器
- 確率的勾配降下法
- データ駆動
TS13 招待講演
富岳NEXT×AI:次世代スーパーコンピュータが拓く科学の未来
講師
佐藤賢斗 氏 (理化学研究所)
概要
AIとスーパーコンピュータの融合は、科学の進め方を大きく変革しつつあります。本講演では、次世代スーパーコンピュータ「富岳NEXT」とAI技術がどのように科学の未来を切り拓くのかを議論します。特に、AI for Scienceのロードマップ、そして「富岳NEXT」の開発状況についてお話しします。